※ この記事は、KIESS MailNews 2016年12月号に掲載したものです。
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冬の歳時記 くるくる市とクリスマス
持ってくる人、持って帰る人、店番のいない鈴鹿カルチャーステーションの一角に、冬用の衣類や小物がくるくる回っていく『くるくる市』が11月15日~年末までオープンしています。思い思いに持ってくる人と帰る人たちの手で、毎日少しずつ様子が変わっていくのが楽しい、くるくる市です。
クリスマスには、クリスマスにかこつけた「気まぐれCafe&Bar」が開催。ケーキ作りが大好きな人と、コーヒーをたてるのが大好きな人たちでオープン~!夜は渋いマスターたちによるカクテルバーが登場、弾き語りの演奏など、ゆっくりした時間を楽しみました。
冬の歳時記その2 コミュニティスペースJOYの冬野菜たち
毎朝、SUZUKA FARMから採れたての野菜を若い人たちが届けてくれます。今は白菜、長ネギ、ブロッコリー、カリフラワー、ダイコン、カブ、キャベツなど。到来物のゆずやお土産品、おもちなどが届いてにぎやかです。
冬の歳時記その3 鈴鹿市民活動展
12月10日は、鈴鹿市の市民活動フェスタ2016に参加させてもらいました。
「鈴鹿カルチャーステーション(SCS)」、「オープンコミュニティハウス」、「理想の暮らしを語る会」、「未来の里山プロジェクト」、「はたけへ行こうはたけで食べよう」の5部門がパネル展示し、活動紹介ビデオを上映したりしながら交流しました。
参加したE.Kさんの声
チラシ渡しをしていて、何人かの親子の連れの人たちが、街のはたけ公園や、里山の企画に来ていて、なんか、とっても親しげに話をしていく人がいました。市民活動展示会に参加している人の中で、すでに多くの人と繋がっていたんだなあ~みたいな感覚がありました。その人たちとの出会いも私にとっては嬉しかった~
メモ:お金の介在しない経済と、地域通貨経済の違い
くるくる市も、コミュニティスペースJOYも、お金のやり取りをしていません。実は、コミュニティでも地域通貨RINKAを、2010年から2013年にかけて試みていましたが、いまはやめてしまっています。
JOYのようなお金を介在させない経済と、地域通貨の経済はどこがどう違うだろう、と振り返ってみました。地域通貨RINKAはLETS(Local Exchange Trading System)方式を参考に、電子決済システムで運用して、毎月300万~400万相当が流通していました。
これはあくまでも私の個人的な実感からくる比較だということ、それから、いまの日本で生きているわけですから、円を稼ぐために、弁当屋をやったり、SUZUKA FARMで米や野菜を販売して、収入源としています。その収入の中での50所帯余りの試みで、一般にオープンにしているものではありませんから、その点ご了解ください。
地域通貨の時にも、円は使わず、手ぶらで取りに行って、要るだけもらって帰ってきました。お金を気にしないでいいという点では、それなりに面白かったですが、もたらす側と受け取る側の双方が納得できる額を決めて、モノやサービスを交換していました。価格がついていない、例えばアイロンかけのようなものに対して、相談して価格をつけるという時に、お金や対価を改めて意識して価格を決めます。そこで出来る人と人の関係は、円の代わりに地域通貨を橋渡しにしていきます。価格を一方的に決めない、たがいのやり取りが働くのですが、やっていくうちに、次第に、その人にしてあげたい気持ちからの行為を、わざわざ数字に表現しないでもいいかな、と感じるようになりました。今はその交換をまったくしていません。
ちょうど、家の台所や居間やクローゼットを覗いて、何かおいしいものないかな、何かちょうどいいものがないかな、と覗きに立ち寄る感じが近いかんじです。パン一切れとか、または1.5斤とか、自分がほしいだけ、ほしい時に持って帰ります。大きなスイカは切ってほしいだけ持って帰る、白菜や大根もほしいだけ持って帰ります。おかずを創るのが得意な人は、余分に作ったのを置きに来ます。私はよく仕事の合間に散歩がてらにJOYにぶらぶら出かけます。ちょっとつまみたいクッキーを一つとか、飴玉二つとかおやつに持って帰ったり、おいしそうな唐揚げがあれば、その場で一つつまんで食べちゃったり。自分の家の台所や冷蔵庫がそこにある感じです。
交換がないと、どれだけ持って行ったか、測ったり記録することがなくなります。いくら持って帰ったから、いくらだ、という、対価が記録と心に残るのではなく、ただただ自分が今、何がどれだけほしいのか、自分を素直に見て、それから、そこに届けられている、値段の付いていない、野菜そのものやお惣菜そのもの、雑貨そのものに、触れていく感覚に変化してきました。
農産物が「自然の恵み」だと受け止め、その恵みを出来るだけ新鮮なうちに、まずコミュニティの仲間に食べてほしいと願った、FARMの若い人たちの気持ちが発端で、いまの仕組みに育ってきています。確かに、米や野菜は自然の摂理に沿って育ったものであって、何かの交換で実ったわけではありません。太陽、土、水、空気からもたらされた野菜やコメ、農場で収穫してくれた人たち、運んでくれる人たちがいて、受け止める私たちがいる。ただただ感謝です。自然界の摂理に沿った経済の仕組みを編み出していけたら、楽しそう!ご関心のある方、一緒に検討してきませんか。
報告やさしい社会国際フォーラムとハーン先生の感想
10月14日~11月2日の間、京都大学、九州6大学をふくむ全14会場で、ドイツのエクハルト・ハーン先生を囲んでフォーラムを開催しました。全国で約900人が参加し、学生から70代のシニア世代まで幅広く集まっていただきました。ハーン先生から、
2009年から1年を除いて毎年来日し、持続可能な社会づくりが市民から進んでいくようにと、応援してきました。世界各地でそうした動きが活発になっていくように働いていくことは、自分の喜びですが、特に今年は、Global Ecovillage Network Japanで、6大学を含め14会場で講演ができ、若い人たちの熱心な姿が印象に残りました。日本はこれから何か動きだしそうな手ごたえがあって本当に嬉しいです。来年もドイツと日本の懸け橋として活動したいです。
と、メッセージをいただきました。
冬の歳時記、おまけ
いよいよ29日からおせちづくりがスタート、お誘いが飛び交い始め、ワクワクする年の瀬です。皆様、来年もどうぞよろしく!
(かたやま ひろこ:NPO法人えこびれっじネット日本代表)
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