※ この記事は、KIESS MailNews 2011年6月号に掲載したものです。
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エコライフチャレンジセミナー
東日本大震災とその後の原子力発電所の事故をめぐる状況は,私たちの暮らしや考え方,街づくりの方向性,国家とは何かなど,これまで当たり前としてきたものを根底から覆す内容を提示しています。
街のお縁側,カルチャーステーションとして,はっきりした情報や提案を専門家から提示してもらいながら,ただ一方的に聞いて終わるのではなくて,同じ関心の下に集まった参加者同士が,立場や年齢など超えて,自由に専門家と交流し,意見を交わし,市民同士も対話を通して,おのおの自発的なまちづくりの方向性を自ら見出していけるようにとの願いから,5月からエコライフチャレンジセミナーをシリーズでスタートしました。
第一回は5月22日(日),グローバリゼーションの行き過ぎが私たちの暮らし,食糧,エネルギーなどにどんな影響を及ぼしているのかを見直す意味で,映画「幸せの経済学」の全国100箇所自主上映の流れを生かして,内藤先生にこの映画を見る観点を整理していただきながら,映画上映し,後半は5,6人のグループに分かれて飲み物で渇いたのどを潤しながら交流しました。参加者は市会議員,県会議員から大学生,そのほか多様な人たちが会場にあふれ,多様な意見がでました。その一人一人の感想と,次の一歩を自分としてはどうしたいか,5センチ程度の紙に書いていただき,会場に分類して張り出すと共に,一つもれなくWEB上でも紹介を行いました。
第2回は,6月19日(日),第一回目に参加した方のほとんどがまた参加され会場は熱心な空気にあふれていました。今度は実際に東北大震災の被災地でボランティア活動をした元市会議員の杉本信之さん,被災地のゴミの状況を調査している浅利美鈴さん(京都大学)の発表と内藤先生から被災地の下水道破壊の状況紹介など,まだマスコミでは十分に紹介されていない内容が公開されたあと,モノの面,社会の仕組みの面,心の面の3つの観点から内藤先生に解説いただきました。3名の発表者に楠部孝誠さん(石川県立大学)を加え,専門家同士でこの被害から何を課題としてみるのか,考え方や話題が提供されました。
この問題提起を受けて,会場からは活発にテーマが飛び出し,その内容に沿って,「ゴミ・下水道を見直す」「日本人を見直す」「食卓を見直す」「近所づきあいを見直す」「幸福感を見直す」「リスクコミュニケーションとは」という話題に分かれてワールドカフェでは活発な意見交換が行われました。
後半のアクションタイムにも30人以上の方が残り,ダンボールによる生ゴミコンポストの理論と実践を楠部さん,そして鈴鹿市内ですでに行っているメンバーから発表があり,実物も持ち込まれて,希望者には設置や今後のケアも受け付けるとのこと。頼もしくも楽しい発表となりました。
SCSではゴーヤによる緑のカーテン作戦,ダンボールによる生ゴミコンポスト作戦,エアコンの室外機を30度ほど斜めにずらせる作戦,エアコンお掃除作戦など,一人一人のつぶやきや,飛び出したアイデアを集めて,紹介しています。緑のカーテンでは,里山から切り出した竹や土のお世話もコーディネーターの人たちによって設置までお世話できることになりました。以上の方法を組み合わせると,一つの方法だけでもエネルギー消費は20%程度削減が期待できますが,これが10家庭,20家庭と集まると,コミュニティ全体,また鈴鹿市全体の社会資源が生かしていけることになりそうです。
そんなことを語り合い,またやりながらのこれからになりそう。7月の第三回目のセミナーでは,エネルギーを見直していきます。
※ 詳しくは以下のHPを参照してください。
第1回エコライフチャレンジセミナー:http://www.scs-3.org/news/news1_522.html
第2回エコライフチャレンジセミナー:http://www.scs-3.org/news/news1_619.html
(かたやま ひろこ:鈴鹿カルチャーステーション理事)
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