※ この記事は、KIESS MailNews 2012年8月号に掲載したものです。
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一日てっらこやの開催
子供たちで一日一緒に暮らす「一日てっらこや」が夏休みの間6回開催されました。野菜を収穫したり,国土交通省とのコラボで鈴鹿川の生態調査や,宿題&学習タイム,昼食をみんなで食べて一休みした後,午後一番は毎回里山に通いました。夏でもひんやり涼しい中で,里山のおじさんのガイドで軽作業したり遊んだり,人気です。初参加の子供が多かったのですが,お兄さんお姉さんスタッフに見守られながら暮らすうちに最初の緊張が取れました。リピーターが増えて毎回20人の定員いっぱいとなり,新しい保護者のみなさんと接点を作りながら子育てネットワークを作り始めています。スタッフにも元保育園の先生など新人が登場してきました。
また「暮らしを通してエネルギーの地域自給を考える懇談会」を,KIESSから岩川貴志研究員を迎えて春から始めていましたが,女性陣10人が加わってメンバーも20人を超え,7月~8月は「はたけ公園」で採れたスイカを頬張りながら,自分たちの暮らしを振り返ったり,個別の取り組みだけではなくて,コミュニティでやりたいことを描き始めたところです。
「新しく、社会を作る」ためのワークショップ
エコビレッジ作りを推進している知人数名が,7月と8月開催の「マイライフセミナー」に続いて参加したことがきっかけで,私自身もスタッフをやってみました。そこで感じたのは個人の幸福のレベルに止まらない,コミュニティ作りのためのワークショップとしてもっと活用できそうだと知人たちと検討しているところで,KIESSの皆さんの知恵も借りたいと思っています。
持続可能なコミュニティを作ろうとする動きが最近増えているようですが,メンバーの間で話し合いが難しくなることも多いようです。また集団は避けて個人で行動する場合も,現行の社会システムに阻まれ個別に多大な努力が必要になっています。
パラダイムが変わるというその実際は,社会を構成する一人一人の意識や価値観が変化しながら,行動=人や自然との関係性が質的にまったく変容するということです。しかし,知識的な情報では,意識や価値観の変化は引き起こされません。また外側からシステムの圧力で反発無く簡単に変えられる程度のことではなさそうです。新しいエネルギーの技術やその仕組みを作るだけでなく,新しい価値観を感受した持続可能型の人が満足して安心できる社会実態をどう描き,どう関わっていきたくなるか,という課題があります。
意識や価値観の領域は,その変化の必要性が謳われながらも,実際には焦点を合わせた議論を避ける傾向が強いですが,案外出来ることから積み重ねていけるものかも,と感じました。
セミナーで初対面の参加者が,何を言っても何も言わなくてもいいことに気づき,「ひとつの正解がある」という幻想から目覚めた途端に,「私はなぜそう考えるのか」「私は何を根拠にしているのか,そこにどんな経験・価値観があるか」等自分の拠り所を探り,また発表しあって,自分自身を知ると同時に互いを知り合っていく面白さ!その過程で自由な気風の小社会を感じて打ち解け始める。自分とは,人生とは,幸福とは,社会とは,自由とは何か等を具体的な例を通して順を追ってまず自分でしっかり考え,そのあと互いの意見を知って話し合い,検討する,その経験を,テーマを変えて何度も繰り返します。互いの育ってきた背景,人生を知ると,なにかしら互いに敬意を払いたくなる。そして最後に「新しく,社会を作る」というテーマに自分自身で向き合い,本心からの幸福と直結した持続可能な社会を具体的に考え始めます。5泊6日ですからまずはさらっと表面的な所ですが,その経過にできる暖かくて楽しい絆,それは社会づくりの基盤と位置づけてよさそうだと感じました。
一般には話し合えば話し合うほど,お互いの間に溝ができることが多いようです。それを避けるためにほどほどの距離をとって,結局コミュニティレベルの協力関係が育たない。話し合いが本当の話し合いに育っていくように,アズワンコミュニティの基盤とも言える話し合いの質が深まっているのは,このセミナーで体験している中身を,日常的に継続して検討しているからでしょう。最近は見学者の方も増えていますが,出来た形は地域やメンバーの個性の結果にすぎないとして,出来る経過への関心が増しています。自分たちのコミュニティ作りに生かしたいという意欲の表れのようです。
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9月23日「里山を守ろう!! 里山で育とう!!」里山ボランティアと公開シンポジウムを開催します。詳細は下記をご覧ください。午後は,内藤先生の講演「みんなでつくる現代のさとやま」があります。
http://www.scs-3.org/event/2012/0923.html
(かたやま ひろこ:鈴鹿カルチャーステーション理事)
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